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中南米大感動の旅

西谷 勲


 2006年4月中旬、秋を迎えた中南米3カ国を周り、大自然のすばらしさと古代の人間の偉業、未だ解明されない謎の歴史に触れた大感動の旅であった。
 成田発でロサンゼルスとペルーの首都リマでのトランジットでブラジルのサンパウロへ。延べ時間約30時間で日本のちょうど真裏への到着。さすがに遠かったが、最初の目的地まではさらに国内便で1時間を要した。
 そこは今回の旅で第一の目標である世界最大の「イグアスの滝」がある。ツアー仲間は全国からの20名で平均年齢は65歳頃と推定。最初のホテルは滝のすぐ傍で、滝はアルゼンチンとの国境に位置し両国側からの観光で、一日がかりで滝の上と下からで全貌を観光した。
 

ブラジル側から見た滝


 混雑を避け翌早朝のホテル出発。アルゼンチン側へ入国し、滝の真上への入り口まではトロッコ電車でジャングルの中を走る。周囲からは猿やハナグマ、赤く大きな口ばしを持つ全長60cmのオニオオハシの姿が見られた。
 終点駅付近から滝となるイグアス川に鋼鉄製の桟橋が架けられ、この滝で最大流量が落下する「悪魔の喉笛」と呼ばれる地点に向かう。観光客は切れ間なく行列で進み、途中2〜3m下の浅瀬にワニの姿があり大自然を実感した。やがて前方の青空を背景に白い水煙が見えた。
 撮影機材の防水対策と、我が身はナイヤガラの滝で貰った合羽を被りながら進む。桟橋全長の約1qを歩き、ついに轟音としぶきと怒涛に恐怖を感じながら、ずぶ濡れの中で困難な撮影に挑んだが、飲み込まれめまいをしそうな状況に、悪魔の喉笛を実感した瞬間であった。
 終点の駅からトロッコでの帰りに途中下車し、徒歩で滝の下に徐々に下る遊歩道で、幅約3qで馬蹄形に広がり落下する滝のカーテンが至るところで見られ、観る角度が滝の姿を変えすばらしい眺望を楽しませてくれた。

 午後からはブラジル側からの観光で、ホテルの前から滝を見上げる遊歩道へ移った。秋とは思えぬ気温35度の中を世界中の観光客で大混雑。撮影スポットは随所にあり、落差80m〜100mの滝が2段になった場所など見応えが多く、悪魔の喉笛の真下も迫力満点であった。
 大小約280ヵ所の滝が連なる熱帯雨林に別れを告げ、第二の目的地であるインカ文明の遺跡「マチュピチュ」を目指した。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスからリマへ、さらに国内便で標高3400mのクスコに到着。
 

マチュピチュのパノラマ


 インカ帝国の首都であったこの街で、15〜16世紀の石造りの要塞や大聖堂など、大地震にも耐える驚異的な石積みの技術に驚嘆した。遺跡観光中に出会った住民の着飾った衣装は派手で、独特の美しさに見とれてしまった。
 標高のせいか頭痛など高山病に悩まされながら、翌朝は列車で3時間半をかけ、山中深い場所にある待望の謎の空中都市の遺跡に向かう。高地のため気温は低く冬仕度で出発、到着駅前から乗り合いバスで山頂を目指した。
30分ほど九十九折の急斜面を400mの高さまで登ると、そこにはレストランやビジターセンターがあった。不要な荷物を預け身軽になり一列となって小道を上ると、間もなく遺跡が一望できる見晴らし台に出た。
 心配された天候も回復し、そこには唯一スペインの侵略から免れ、インカ帝国当時のまま残され、1911年に発見されたアンデスの秘宝とも呼ばれる「マチュピチュ」の大パノラマがあった。ここは標高2400mで石造りの住宅、祭祀場、断崖には大規模な棚田が見えた。
 これらの地面は緑色に染まり、その背景には濃緑色の山々と紺碧の空、変化する白い雲の流れる様子など、まるで絵のような絶景に感動で胸が熱くなった。謎のゆえんは人間がどのような方法で、この険しい山中に築いたのか、我が目を疑うような謎としか言いようがなかった。
 

ナスカ高原の巨大地上絵
 

 最後の目的地は巨大な地上絵で有名な、ペルーの南方
440q、太平洋とアンデス山脈に挟まれたナスカ台地にある、南北約10q東西約20qを範囲とし、動植物の絵が約30、その大きさは10mから約300m、そのほか700を超える巨大な直線と、数百もの幾何学模様が描かれた地域の上空からの観光であった。

 これらは6世紀頃までに描かれたもので、直径数10pの石を並べ、太陽の影が空中からは「絵」となり良く見えるため、早朝ホテルを出発し午前6時に朝日が昇る時間に合わせ、6人乗りセスナ機で上空へ舞い上がった。
 

ナスカ上空の機内で・筆者と妻


 やがてその地域に入ると、パイロットからはイヤホーンを通して、「さる! ハチドリ!」などと日本語の片言で叫びながら、乗客に懸命に絵のある方向を指差した。これらを肉眼とレンズで約30分間夢中で捉えた。なぜ古代の人々がこのような巨大な絵や正確な直線を描いたのだろうか。こうして中南米の三つのポイントに的を絞り、大自然と人間の不思議な驚異を自身で確かめ、その度ごとに数多くの大感動の旅となった。
 


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西谷 勲
1941年 生まれる/1960年 北海道立滝川工業高校土木科卒業と同時に、 建設会社に入社/1997年 建設会社を退職/1984年より世界各地を旅行。15回20カ国。

 

このコーナーでは、あなたの世界旅行の体験記を募集しています。
 

情報更新:2006/08/30
 

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