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今月の養生訓

“食品添加物”を避けて通れない現在社会

  ピンコロ健康塾
東京都健康管理士会代表 金岡健二
 

 飽食の時代といわれて久しい・・・実際、私達日本人から「飢え」という観念がどこか片隅に追い遣られた感がする昨今。私達の食生活は年を追うごとに豊かになり、今や日本に居ながらにして世界中の美味しい料理が食べられ、家庭でもちょっと手を加えるだけで、美味しく食べられる調理済み食品や加工食品がふんだんに揃っている時代です。食品添加物
 私達の毎日の食生活はここ20年〜30年で大きく様変わりしました。日本人の主食であった「米」の消費量は大きく後退し、それに取って代わってパン、スパゲッティ等の粉食を多く摂るようになりました。日本人の食文化であった「和食」からカロリー、脂肪、糖分過多の欧米型食事メニューへと様変わりしました。
 また、日頃のライフスタイルもここ数十年で一変しています。昨今は女性の社会への進出も目覚しく、その結果、共働き夫婦が増加したことも食スタイルに変化をもたらした一因といえるかもしれません。

 外食産業の台頭とともに安くて美味しいものが簡単に食べられ、ファミリーレストランには子供連れの若夫婦で年中賑わっています。加工食品が豊富に提供されるようになり、家庭であまり手を加えなくても済む調理の簡単な食品から調理済み食品まで、スーパーマーケットやコンビニで手軽に購入することができ、「中食」という言葉まで誕生しました。

 しかし私たちは、この便利さと引き換えに大きな問題を抱えることになりました。私たちは、近年の食に関わる生産、流通の発展、豊富な加工食品の普及によってあらゆる食品を美味しく、どこよりも早く、安価に口に入れることができる恵まれた食環境を手に入れました。しかし、その過程では生産現場での農薬、流通過程に於ける長期保存のための添加物、加工食品の製造・生産過程に於ける多種・多量の食品添加物などの使用が私達の身体を徐々に蝕んでいっています。言い換えれば、便利さと引き換えに健康が損なわれているといっても過言ではないと思われます。
 もちろん食品添加物の全てが問題だとは決して思っていません。日本の食品添加物に関する規制は世界各国に比べて大変厳しいものであることも事実です。しかし、一方で認可している食品添加物の件数が最も多い国の部類に入るのも事実です。この「食品添加物」の良い面、悪い面を私達自身がよく理解し、日常の食生活で賢く対処していくことが、今後ますます大事になってくるとおもわれます。日常の食生活を送る上で避けてはとおれない食品添加物について、なぜそれが使われているのか、使用を認めるためにどのような安全性確認をしているのか、使用した食品にはどのように表示されているのかといったことをきちんと理解したうえで私たちは食品を選んでいかねばなりません。
 そのためには「食品添加物」に関して最低限の正しい知識が必要です。


『食品添加物とは?』

食品衛生法では、第4条第2項で「食品の製造の過程において又は加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義され、種類や量が規制されています。
 その主な役割は

  •  食品の製造や加工のために必要な製造用剤
  •  食品の風味や外観、色合いを良くするための甘味料、着色料、香料など
  •  食品の保存性を良くする保存料、酸化防止剤など
  •  食品の栄養成分を強化する栄養強化剤

があり、動植物を加工して作るものや化学合成で作られるものがある。
 

★平成17年11月28日現在、指定されている添加物は357品目、既存添加物名簿に収載されているもの450品目、天然香料612品目となっています。

食品衛生法第10条
「人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、添加物並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。」

★食品添加物は化学的合成品、天然添加物にかかわらず、厚生労働大臣が指定したものだけを使うことができます。 ただし、天然添加物として使用実績があると認められた「一般飲食物添加物」については指定から除外され、使用されています。

★食品添加物の基本的な考え方は
 国際的に安全性評価が終了し、安全性について問題なしとされたもの。
 国際的に広く使用されていること。
 科学的な検討が可能な資料が整っていること。
 使用が、消費者にとって利点があること。
 原則として、化学分析などで食品に添加した添加物が確認できること。

★食品添加物の一日摂取量――ADI(Acceptable Daily Intake)
 人がある物質を一生涯摂り続けても何ら危険がないと考えられる一日量で、一般にmg/kg/day(体重1kgあたり一日摂取mg量)で表されています。
 一般的な日本人は1日に「天然には存在しない食品添加物」を0.1g、「天然にも存在する食品添加物」を3.2g、計3.3gの食品添加物を摂取しているとされています。しかし 一部では、私達日本人は、一日に約80種類以上の食品添加物を10g摂取しているともいわれています。

食品添加物を使用している主な食品を使用目的別に見ると

  • 豆腐・・・豆乳を固めるために凝固剤として「にがり(塩化マグネシウム)」を使用。
  • ラーメン・・・小麦粉からラーメンを作るときに柔らかくて弾力性のある食感を作りだすために加える「かん水(炭酸ナトリウムを主成分とし各種リン酸も含む)」を使用。※日本には「唐灰(とうあく)・・・ヨモギやタデなどの草木を燃やした灰を精製したもの」の名で中国から入荷されている。
  • 水産練製品・・・鮮度の落ちたものを使うと粘りがなくなるため、結着効果のある「リン酸塩」を使用。さらに、リン酸塩を加えることで保水性が保持でき、冷凍変性を防止する効果もあります。
  • ハムソーセージ・・・肉の色を鮮赤色に保たせる効果のある発色剤「亜硝酸ナトリウム(亜硝酸Na)」 肉を結着させる「リン酸塩」、色をつけるための着色料「コチニール」等を使用。
  • マーガリン・・・液体の植物性油を、半固形状態に変化させるために水素添加などの科学反応(金属触媒を用い、約260度の温度で処理されトランス形状に変化させる)をおこなう。こうして作られた油を「トランス脂肪酸」といい体にとって非常に悪い成分に変わってしまう。この油はすぐに腐ったり、嫌な臭いを出したりしない。また、油に水を混ぜるために乳化剤「グリセリン脂肪酸エステル」や色をつけるための着色料、酸化防止剤「プチルヒドロキシアニソール(BHA)等を使用。
  • アイスクリーム・・・乳脂肪を均一化させるための乳化剤「グリセリン脂肪酸エステルや舌触りを良くする安定剤「アルギン酸ナトリウム」を使用。
  • 清涼飲料水・・・甘さが砂糖の約200倍で安価な甘味料「アスパルテ―ム」、より自然の色を補うための着色料「赤色2号・青色1号・緑色3号・コチニール」を使用。


『食品添加物は本当に安全なのか?』

 以上、食品添加物の何たるかを述べてきましたが、さてこれだけ国の法律で確りと定められているのだから、私達国民は安心して世の中に流通している食材や調理済み食品、加工食品、そして外食等含めて安全な食生活を送れると思っていいのでしょうか。しかしながらどうやらそんなに、簡単に思い込むわけにもいかないようです。
 食品添加物の目的を言い換えると「腐らないようにする」「色や味、香りをごまかす」「増量したり、とろみをつけたり、歯ごたえを良くしたりする」ということではないでしょうか。こうした観点から見てみますとかなり問題のある使われ方がしているのも事実です。

 ★実は、幾つかの問題点が考えられます

  • 欧米では使用が禁止されている食品添加物が、日本では指定を受け使用されている食品添加物がたくさんあります。
  • 食品添加物の審査基準はあくまでも単品での使用です。しかし、私達の1日の食生活は多数の食材や、加工食品、調理済み食品を食べています。これらが体内で重複することによって添加物を過剰摂取してしまう可能性があります。
  • 幾種類かの食品を摂った場合に添加物が他の添加物と体内で化学反応を起こし有害物質となる危険性があります。
  • 体内で必要とする貴重な栄養成分を体外へ排出してしまう添加物があります。
  • 原材料の製造工程で使われても、食品の製造工程で使用されなかった場合は表示が免除されます。
  • 容器や包装が小さい場合(30?)は使用した食品添加物を表示しなくてもよい。
  • 同じ目的に使用するものであれば一括して表示してよいため、何種類使われたかがわかりません。
  • 大多数の人には無害であっても、アレルギー体質の人には有害になる物質がたくさんあります。


気をつけたい食品添加物
:石油を主とした鉱物系由来の着色料「タール系着色料」は価格の安さと、鮮明な色を出し、退色しにくいという優れた特徴が使用された理由ですが、発がん性の危険が高く米国、欧州の各国で使用禁止になっているものが多数あります。


◆日本で使用許可されているタール系色素と海外の対応◆
(「すぐわかる食品添加物ガイド」西岡一監修 家の光協会(1992)より)

名称 おもな用途 疑われている毒性 海外での対応など
青色1号 菓子、清涼飲料など 発ガン性 EU諸国で使用禁止
青色2号 和菓子、冷菓など 染色体異常
赤色2号 菓子、清涼飲料など 米で発ガン物質として指定 使用禁止
赤色3号 焼菓子、水産加工物など 独・ポーランド・米で使用禁止
赤色40号 菓子、清涼飲料など アレルギー性 91年アメリカの圧力で認可
赤色102号 漬け物、たらこなど アレルギーなど 米・カナダ・ベルギーで使用禁止
赤色104号 かまぼこ、ソーセージなど 発ガン性 日本以外のほとんどの国で使用禁止
赤色105号 かまぼこ、ソーセージなど 発ガン性 日本以外のほとんどの国で使用禁止
黄色4号 漬け物、練りうに、菓子など じんましんなど 食用色素のなかでも最も使用量が多い
黄色5号 菓子、水産加工物など 発ガン性、ぜんそくアレルゲン
赤色106号 でんぶ、福神漬など 発ガン性、日本以外のほとんどの国で使用禁止
緑色3号 菓子、清涼飲料など 発ガン性、染色体異常、米・EUで使用禁止


:食品中の血色素に作用して安定した色素を生成させる発色剤「亜硝酸ナトリュウム」は食肉製品を鮮赤色に保たせる効果があります。ソルビン酸(保存料)やパラオキシ安息香酸エステル、アミノ酸等と一緒になると発がん性物質を作り出す恐れがあります。
:「リン酸塩」は摂り過ぎると体内のカルシウムを排泄させます。
:甘味料の「アスパルテーム」はアスパラギン酸とフェニルアラニンという2種類のアミノ酸とメチルアルコールとを結合させたもので白い結晶性の粉末です。砂糖の180〜220倍の甘味を持つています。現在、日本では340以上の食品・飲料に添加されているから、誰でも一度は口にしているはずです。最も問題なのは、フェニルケント尿症(フェニルアラニンの代謝がうまくいかない体質)の新生児が摂取すると、脳に障害が起きる可能性があることです。また「“元気な精子”が減る」-こんなショッキングな実験結果が日本薬学会で発表され、ごく微量で影響が出そうだということです。
:多くの清涼飲料水に含まれる甘味料「異性化糖(ブドウ糖果糖液糖)」は果糖(フルクトース)とぶどう糖(グルコース)の混合物です。砂糖に比べて値段が安く、より甘いのですが、体内吸収がとても早いので、急激に血糖値を上げます。結果、インシュリンを多量に使って血糖値を下げます。一日に清涼飲料水を多量に飲むとこの繰り返しが頻繁に起こりインシュリンが過剰に分泌されて、やがては膵臓の機能が低下しインシュリンが作れなくなり、糖尿病を発症したり低血糖症に陥ります。
:着色料「コチニール」は中南米やスペイン南部のサボテンに寄生するカイガラ虫の乾燥体から水やアルコールで抽出されたものです。主成分はカルミン酸という物質で、鮮やかな赤紫色に染まります。発がん成分の可能性が大といわれています。もともとは、草木染で紅色系の素材として明治時代に輸入されたものです。

危険と思われる食品添加物(合成)
:サッカリンナトリウム(保存料)・・・発がん性が疑われる
:ソルビン酸(保存料)・・・・・・・・・・亜硝酸と一緒になると突然変異の可能性が大
:ソルビン酸カリウム(保存料)・・亜硝酸と一緒になると突然変異の可能性が大
:BHA(酸化防止)・・・・・・・・・・・・発がん性が疑われ、特に危険度大
:BHT(酸化防止)・・・・・・・・・・・・染色体異常が疑われる
:過酸化水素(殺菌料)・・・・・・・・・・発がん性が疑われる
:イマザリル(防カビ剤)・・・・・・・肝臓障害・腎臓障害の危険度が大

 以上疑わしいとされる食品添加物を述べてきましたが、未だ未だ危険とされる添加物はあるようで疑い出したらきりがないというのが正直なところ現状です。実際、こうして疑い出すと私たちは、調理済み食品や加工食品は殆ど食べられないし、ましてや外食さへもままならぬ羽目に陥ってしまい、何を信じて食材を選び、食べればいいのか途方にくれてしまいます。とはいっても、食品添加物を避けて毎日の食生活を送ることは既に至難の業であることは明白です。
 従って、これからの私達の食生活は「食品添加物」としっかり向きあい、付き合っていかねばなりません。自分なりに食品添加物のメリット、デメリットを見極めて、体への悪影響を最小限に止めながら利用していくことです。その為には、どんなことを心掛けていけばいいのでしょうか。

『<食品添加物>対処法十訓』

  1. 危険度が高く、どうしても避けるべきだと判断された添加物の知識を身に付けよう。
  2. 購入する食品の裏の表示を見る習慣をつけよう。
  3. 基本調味料(味噌・醤油・塩・酢)以外に使われている添加物の数ができるだけ少ないものを選ぼう。
  4. 出来る限り加工食品に頼らず、手づくりを心掛けよう。
  5. スーパーの特売品にはそれなりの安い理由があると認識しよう。
  6. 添加物の味に慣らされた子供の舌は、正しい五味・五感は育たない。
  7. 添加物ゼロの<手づくりだし、タレ>のほうが費用は安く済む。
  8. 多少高くついても、できる限り、無農薬野菜、無添加食材を選ぼう。
  9. 「いただきます」は動物・植物の命を頂いているという「感謝の気持ち」が込められている。
  10. 「人に良い食生活習慣(良い食べ物・良い食べ方)」を親が身に付け、子供に継承しよう。

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金岡 健二
■略歴:健康管理士(日本成人病予防協会会員・認定講師)、東京都健康管理士会代表(日本成人病予防協会 公認)、ウエルネスコンサルタント。「健康セミナー」を中心に講演活動を全国で展開する傍らウエルネスコンサルタントとして健康管理の指導を行なっている。 ■著書: 「まっとうしませんか!ピンコロ人生」金岡健二 明窓出版 ■講演テーマ: まっとうしませんか!ピンコロ人生を〜人生100年元気に生きる〜/今、何故子供がキレるのか?/生活習慣病その予防と対策/他。■お問合せは: 東京都健康管理士会 健康塾 主幹 

情報更新:2008/06/20
 

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